犬や猫は引っ越しする事情は理解できません。
急な環境の変化や、飼い主さんが慌ただしくしている様子など敏感に感じています。
引っ越しの際、気をつけなければいけないことを知っておきましょう。

●引っ越しによるストレス
移動・引っ越し業者の出入り・物音・新居での慣れない環境など、犬や猫にとって引っ越しは多くのストレスを感じています。
ストレスによって体調の変化が現れる例としては、トイレではないところで排泄してしまう、よく鳴くようになる、食欲低下や下痢を起こす、などがあります。
引っ越し前と後でいくつかのポイントに気を付ければ、ストレスを少なくできる場合があります。
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●引っ越し前にすること
<移動手段を考える>
車、電車、飛行機などの移動手段がありますが、どの移動手段もクレートやキャリーバッグに入れる必要があります。慣れていない子は、事前に練習をしておきましょう。
車で遠距離の移動の場合は、必ず休憩をはさんでトイレや水分補給など気にかけてあげて下さい。車酔いする子は事前に動物病院で酔い止めを処方してもらうと安心です。
電車や飛行機を利用する場合、各会社で乗車のルールや料金が異なります。
特に飛行機での移動は紛失、脱走、死亡事故などのリスクがあります。
航空会社によって、品種(主に短頭種)や季節などで規制があり搭乗できない場合もあります。海外へ行く場合は検疫の手続きもしなければいけないので、事前の準備や確認をしっかりしておきましょう。
引っ越し 移動.png
<引っ越し当日の居場所を決めておく>
当日は引っ越し業者の出入りでドアが開いていることが多くなります。
家で待機させる場合は、脱走を防ぐためにキャリーケースにいれておくのが安全です。
また、人や荷物の出入りが少ない静かな部屋に入れておくことでストレスを軽減させてあげましょう。
引っ越し作業で手が回らない場合はペットホテルに預けるのも1つの方法です。
性格によっては、ペットホテルでもストレスを感じてしまう子がいるのでその子に合った居場所を決めておきましょう。
<匂いがついた慣れ親しんだ物>
引っ越しの際、家具やペット用品を新しくする方もいるかもしれませんが、犬や猫にとって自分の匂いがなくなることは、不安を感じます。
できる限り今まで使っていたものを新居に持っていくようにしましょう。
また、新居ですぐに使えるようペット用品の梱包も分かりやすくしておくといいでしょう。
<引っ越し先の動物病院>
引っ越し後にストレスから体調を崩す可能性があるので、すぐに受診できるように引っ越し先の動物病院を調べておきましょう。
持病がある子はかかりつけの獣医師にこれまでの治療内容などを確認しておくと、新しい動物病院での治療がスムーズに行えます。

●引っ越し後にすること
<新居での過ごし方>
家具の配置やトイレの場所など引っ越し前に近い状態にして、自分の匂いに囲まれた環境を作ってあげると、不安は軽減されます。
怖がりの子はケージやキャリーケースなどで隠れる場所を用意してあげましょう。
徐々に、自分のテリトリーを広げていくのでそっと見守ってあげて下さい。
好奇心旺盛な子では匂いを嗅いだりして、すぐに探検をしに行きます。
一見、平気そうに見えますがストレスがかかっているのは同様です。
食欲や排便・排尿など、様子をしっかりと見てあげましょう。
老齢の子や、視力が弱い子などは、これまでになかった階段や段差、隙間などに対応が出来ない可能性もあります。危険なところがあれば改善しておきましょう。
<鑑札・マイクロチップの登録変更>
犬の場合、鑑札の登録変更が必要です。
引っ越し先の市区町村の役所で住所変更の手続きを行いますが、登録時にもらった鑑札を持っていきましょう。紛失した場合は再交付代がかかってしまいます。
マイクロチップを挿入している子も登録内容を変更しなければいけません。
必要書類の郵送、電話、インターネットのいずれかで手続きが可能です。
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<脱走・迷子>
新居での慣れない生活が居心地悪いと感じて、逃げ出そうとする子がいます。
特に、猫は自分のテリトリーへ帰ろうとして脱走をしてしまいます。
帰巣本能があるとも言われますが、見知らぬ土地での脱走は、迷子や事故につながります。
居心地を悪く感じている部分の改善が1番ですが、脱走癖があるならば脱走防止策を万全にしておきましょう。
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人でも引っ越しは疲れますが、それ以上に犬や猫には負担がかかっています。
新居で問題行動に困らないよう、事前の準備と引っ越し後のケアを忘れずに行ってあげて下さい。

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