地域猫ってなぁに?
地域猫というのは、その地域で管理され、その地域全体で飼われている猫ちゃんたちのことです。元々は人間たちに捨てられ、繁殖していった野良猫ちゃんたちがボランティアさんや地域住民の皆さまのご協力で保護され、避妊・去勢手術を受け、毎日の餌をもらって管理されている、そんな猫ちゃんたちです。
外で暮らしている猫ちゃんたちは、実はとても過酷な生活をしています。飢え、不衛生な食事、気温の変化、事故、病気などと毎日闘っています。飼い猫の寿命が15年~20年と言われている中、野良猫や地域猫の寿命は4~5年とも言われています。
そんな猫ちゃんたちがどんどん繁殖して増えていくとどうなるのでしょう。当然、無事生まれる確率、大人になるまで生きていける確率は非常に低くなります。また、生き残った猫ちゃんたちも保健所に連れていかれ、たくさんの猫ちゃんたちが亡くなっています。保健所で殺処分される猫ちゃんの大半は、生まれたばかりの子猫なのです。
そんな不幸な猫ちゃんをこれ以上増やさないための活動、それが、各地域のボランティアさんたちが行っている「TNR活動」です。
T=Trap 捕獲
N=Neuter 去勢・避妊手術
R=Return 元の場所に戻す
去勢・避妊手術を受けた猫ちゃんは、これ以上繁殖しません。手術を受けることで感染症の予防にもなります。地域猫として毎日ご飯を貰いながら生きていくことで、穏やかに過ごすことができます。
TNR活動の最終目標は、飼い主のいない不幸な地域猫を0にすることです。ボランティアさんたちも、猫ちゃんのことを苦手に感じている方も、共通する願いは同じ。不幸な猫ちゃんがいなくなり、飼い主さんに飼われている幸せな猫ちゃんたちだけになることなのです。
耳カットは地域猫の証

去勢・避妊手術を受けた地域猫は、その証として耳を写真のようにカットされます。手術を受けたにも関わらずまた捕まえられ、再手術を受けてしまわないように目印としてカットしています。「耳をカットしちゃうなんてひどい!」と思いますか?でも、手術を受けないままだと、過酷な環境で過ごす不幸な猫ちゃんがどんどん増えていきます。野良猫は地域住民にも多大な迷惑を掛けます。いつまでも野良猫がいなくならないということの方がかわいそうだと思いませんか?
それに、耳カットは麻酔が効いている間に行うこと、耳の先には血管や神経が少なく、かつ動物は人間よりも痛覚に鈍感だと言われていることから、猫ちゃんへの身体的・精神的被害はないという結論の基、採用されています。当院でも多くの猫ちゃんが耳カットをしていますが、耳カットによって健康を害した猫ちゃんはいませんのでご安心ください。