寄生虫シリーズ⑤ ジアルジア症|ひだまり動物病院吉祥寺-武蔵野、杉並、練馬

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ペットの気になる症状

寄生虫シリーズ⑤ ジアルジア症

2015年02月21日

ジアルジアは、鞭毛虫類に属する原虫です。人やイヌ、ネコなどのさまざまな動物に感染し、宿主動物の小腸に寄生します。
日本各地で発生がみられますが、とくに多いのがブリーダーやペットショップなどで多頭飼育している場所で集団発生を起こすことが多いようです。

・形態と生活
ジアルジアには、栄養型と耐久型(シスト)という2つの発育段階があります。栄養型は洋梨形をしていて、大きさが15μm×8μm、耐久型は円形で、大きさが12μmとどちらも極めて小さいものです。
ジアルジア症に感染したイヌやネコは下痢をすることがありますが、栄養型はその下痢に現れます。一方、耐久型は下痢の中ではなく、固形便の中に見られます。栄養型は環境の変化に弱く、短時間で死滅するので、イヌやネコへの感染は、耐久型によって起こることが多いといえます。
イヌやネコは、耐久型が付着または混入している飲食物を食べたり、飲んだりすることによって感染し、その耐久型の中から栄養型が出てきます。
栄養型は腸内を泳いで栄養の吸収や分裂を繰り返して増殖します。また、生鮮時では小腸の粘膜に吸着するものや、ひらひら動き回る虫体がみられます。

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・症状
ジアルジアに感染すると、主に下痢を起こしますが、すでに発育したイヌやネコに感染した場合には、無症状でいることも多いようです。
しかし、生後数か月以内の子イヌや子ネコが感染した場合、水様性や粘液性の下痢を起こします。食欲はあまり低下しませんが、体重が減少し、発育不良となります。

・治療
ジアルジア症の治療には、駆虫薬を使用します。治療中は、再感染しないように、ケージやトイレの消毒や洗浄も重要です。

・予防
ジアルジアの耐久型は消毒剤に対して抵抗性が強いので、感染した場合には、ケージや食器などを熱湯消毒し、再感染や他のイヌへの感染を予防するようにしましょう。
また、お散歩中に水たまりなどの水を飲ませたり、他のイヌの糞のにおいを嗅いだりさせないことも大切です。

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・人への感染
人へのジアルジアの感染は、特に、熱帯や亜熱帯の衛生状態が良くない発展途上国に住む幼児を中心に感染率が高く、世界的感染者数は年間約2.8億人になるといわれています。
また、海外では飲み水や排せつ物の不適切な処理による集団感染も起きています。
人でのジアルジア感染症に感染しやすい年齢は、1~9歳の幼児や子供と、仕事などで海外に行く事の多い35~44歳の成人とされています。
日本での、人のジアルジア症は届け出義務がある5類感染症に指定されています。
人のジアルジア感染は飲み水や食物などからが一般的でした。しかし、最近になり、人と動物に共通して感染の可能性があるジアルジアの発生や人と動物の距離が近くなったことで、イヌやネコから人へ感染するおそれがあるとも言われています。

参考文献  犬・猫・エキゾチックペットの寄生虫ビジュアルガイド
イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科
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