フードについて その②

前々回に引き続きフードについてです。
今回はその②として、ワンちゃん、ネコちゃんにとっての有害な食べものの一例を、
食べるとどうなるかも含め挙げていきます。

前々回はコチラ↓
「フードについて その①」

 

①玉ねぎ、ネギ、にんにく
(これらを煮たスープや、ハンバーグなどもNG)
赤血球を壊す物質を含むため、貧血を起こしたり、おしっこの色が赤くなったりします。

②牛乳
乳糖分解酵素が不足しているため、牛乳に含まれる糖分(乳糖)をうまく消化できないワンちゃん、ネコちゃんが全体の2~3割存在します。
こうした子らに与えると、消化不良で下痢を起こします。

③ピーナツ、アーモンドなどのナッツ類
油分が多いため、カロリー過剰摂取による肥満やストルバイト結石などのリスクが高まります。

④生魚、貝類や甲殻類
ビタミンB1を分解する酵素チアミナーゼが含まれており、このためビタミンB1が欠乏し、ふらつきなどの運動機能障害を示すことがあります。
この酵素は加熱により失活するため、加熱調理して与える場合には問題ありません。

⑤肉だけの食事
人間の与える肉は「筋肉」の部分だけで、カルシウムとリンのバランスが極端に悪く、リンの量が多すぎて、カルシウムが大幅に不足してしまいます。
また生肉については、加熱処理することにより死滅してしまうはずの病原性細菌が潜んでいることもあり、食中毒や消化器障害を生じる恐れがあります。

⑥チョコレート、ココア
カカオは中毒を引き起こす成分が含まれるため、下痢、嘔吐、突然死を引き起こすことがあります。

⑦鶏の骨など
噛み砕かれると鋭く尖った形になることがあり、これが消化管に刺さったり、傷つけたりすることがあります。
鯛の骨などの魚の骨の中にも、非常に硬く消化されにくいものがありますので注意してください。

⑧煮干し、海苔
豊富に含まれるミネラルが、尿のPH(酸性かアルカリ性か)に影響を与えたり、ストルバイト結石形成のリスクを高めてしまいます。

⑨スルメ
人間と歯の構造が異なるため、食べ物を咀嚼することがありません。
そのため大きな固まりで胃に取り込まれたスルメは、そこで水分を含んで膨張します。
10倍以上に膨らむことがあり、消化管の通過障害などを引き起こすことがあります。

⑩卵の卵白
卵白に含まれるアビジンという物質がビオチン(ビタミンB群)を不活性化させるため、ビオチン欠乏症を引き起こします。
結果、脱毛や皮膚炎などの皮膚疾患を引き起こします。
ただ、卵白と一緒に摂取すれば欠乏症は起こりません。

⑪キシリトールを含む食品
キシリトール入りのガムを食べた犬が急激な低血糖を起こしたという報告があります。
血漿インスリン濃度が急上昇したためと報告されていますが、特に一度に大量摂取する可能性のある大型犬では注意が必要です。

⑫ブドウ、レーズン
ぶどうを大量に摂取することにより、主に犬で「急性腎不全」を発症して、最悪の場合は死に至ることがあります。

また、ドッグフードを猫に与える、キャットフードを犬に与えることはしないでください。
食性も栄養素も異なるため、必要な栄養素の過不足が生じ、様々な栄養障害を起こします。
それぞれの動物用に作られたフードを与えるようにしましょう。

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参考文献
「ワンちゃんネコちゃんの健康/病気と食事」
出版・企画制作:ロイヤルカナンジャポンInc.
監修:岸良一

もし、危険な食べものや異物を食べてしまった場合ですが、まずは何を食べてしまったかを確認します。
特に症状が出ていない場合でも、食べた物や量を確認したら、すぐに獣医師に連絡し指示を仰ぎましょう。
すでに症状がでている場合は症状を伝え、病院に急いで連れて行きましょう。

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