ペットロス

ペットロスとは?
死別や離別など、ペットを失ったことによって生じる悲しみや喪失感
特にペットにかける愛情が深い人(自分の子供のように可愛がっていた夫婦や、独身で一人暮らしをしている人)ほど、ペットロスに陥りやすいもの。

<ペットロスは病気ではない>
ペットロスは病気でもなければ、心の病でもないのです。
愛する者を失うという別れの※喪失体験のことで、それ以上でもそれ以下でもありません。

※喪失体験の症状として現れるもの
①行動
涙が止まらない。引きこもり。不眠。食欲不振。過食。仕事や家事が手につかない。逆に極端に行動的になる。混乱。集中力の欠如。無関心など。
②身体的感覚
胃痛、頭痛、悪心、呼吸困難、口の渇き、疲労感、筋肉のこりなど。
③精神的感覚
※自責の念、孤独感、怒り、抑うつ、感情の麻痺など。

※自責の念とは
ペットを失ったとき、ことの他辛いのが自責の念である
なぜかと言うと、ペットの命の全てが人の手の中にあるからです。
だからこそ、別れがくるとき責任を強く感じて辛い思いをするのです
最も痛ましいと思われるのは、自分の過失(あるいは過失と本人が思っていること)によって不慮の事故が発生し、ペットが死んでしまった場合。
また、ペットを突然死であっけなく失ってしまったときも衝撃は大きいものです。
原因が不明なままであれば「一体なぜ」と問い続け、「どうして防げなかったのか」「なんとかならなかったのか」などと思い悩みます

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<悲しみの五段階(参照:エリザベス・キュブラー=ロス)>
愛するペットを失った飼い主さんが経験する心理過程には、五段階あると言われています。
否認・隔離
ペットの死を受け入れられず、その事実を否認する段階。
夢を見ているようで実感がないとういうものや、ペットが家にいないのは動物病院に預けているからという錯覚で逃避したりすること。
怒り
自らを責め、そして後悔が怒りとなる段階。
怒りの矛先は、獣医師や看護師、家族にまで。
ペットの死を「何か」あるいは「誰か」のせいにしたくなるのです。
交渉
悲しみをどうにか和らげたいという心理が働く段階のことで、何かスピリチュアル的なものに願掛けをすること。
抑うつ
何事にもやる気が起きず、ただひたすら気持ちが落ち込む時期のこと。
受容
色々な段階を経て、たどり着くのが受容。時間と共に冷静になり、現実を受け止めることができます。

<ペットロスにならないように事前にできること>
―愛情と責任を全うする―
一緒の時間を過ごすように努める
予定が入っていて最後を看取れなかったと後悔することがあります。
ですが、別れはいつ訪れるかわからないもの。24時間つきっきり、というわけにもいきません。
私たちにできることは、なるべく一緒にいる時間をつくることでしょう。
床に伏す者の気持ちになり、自分から寄り添ったり、目を合わせるだけで、ペットは安心するものです。

生活をしやすくする
状況に合わせて食事しやすいように工夫する、段差の解消、床の滑りや隙間の防止、家具などの衝突回避を心がけましょう。

定期的な健康診断
動物たちにとって定期的な健康診断は若かろうが、老いていようが、とても大切です。

「頑張れ」と「もういいよ」
苦しみながら一生懸命生きている姿を見て、そこで「頑張れ」という声をかけるか「ここまで頑張ったのだから、もういいよ」と言うか。
これは究極な選択だと思います。
「もういいよ」と言われると、それを聞いて安心したかのように天に召されるペットが多いようです。
飼い主さんは「言うまいと思っていたのに、つい口走ってしまった。私が殺したようなものだ」と複雑な涙を流すことになるのです。
しかし、「頑張れ」も「もういいよ」も相手を想う幸せな言葉であると思います

<ペットロスから立ち直るには>
―喪の作業をする―
悲しみを押し殺さないで思い切り泣く
今までの幸せに感謝して供養する
遺骨や遺影の前で話をする
写真を整理してアルバム作りをする
愛用品を整理する
趣味やスポーツなどを通して気持ちを発散する
人の体験談を見聞きする、又は日記やブログ、ホームページに思いを綴る
※参照http://www.vets.ne.jp/bbs/classic_c_0100.cgi (ペットロス メモリアルルーム掲示板)

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<ありがとうを伝えましょう>
愛する者を失うことは、単に喪失することだけではありません。
悲しみから何かを学び、その命の教えを人生に活かすことができたとしたら、先だった者たちの命はさらに価値のあるものに変わるでしょう
出逢えたことに、一緒の暮らしに、そして今までの全てに「ありがとう」が言えるようになれば、このお別れは悲嘆や否定するものではなく、感謝で満たされ、肯定できるものに変わるはずです
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参考文献
「老いゆくペットと幸せに暮らすための40の心得」
「ペットロス」
「愛犬介護 完全ガイド」

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